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vol.1 近江高島の鮒ずし老舗「喜多品」を訪ねて

近江高島の鮒ずし老舗「喜多品」を訪ねて

鮒ずしといえば、日本を代表する馴れずし。その独特の風味と伝統の味わいは、ここ近江高島の地で今も大切に守り続けられています。今回、「総本家喜多品老舗」18代目北村真里子さんにおいしい鮒ずしの楽しみ方を教えていただくために訪問しました。約束の日、最初に案内していただいたのは「白鬚神社」。観光地かと思いきや、その理由は後ほどご紹介しますね。

白鬚神社 白鬚神社 湖中大鳥居

まず、鮒ずしの原料についてお話しましょう。使われるのは、琵琶湖で獲れたニゴロブナという魚です。この魚は脂がのっていて、鮒ずしづくりにぴったり。上質なニゴロブナだからこそ、深い味わいが生まれるんですよ。
次に、製法です。まず魚は塩漬けにされ、余分な水分を抜きます。その後、ご飯とともに木桶に詰められ、重石をして自然に発酵させます。発酵期間はおよそ3~4年にも及び、その間に独特の香りと風味がじっくりと熟成されていくんです。手間暇かけた自然の発酵こそが、鮒ずしの美味しさの秘密ですね。

18代目北村真里子さんと夫の篤史さん 総本家喜多品老舗

そして、鮒ずしの食べ方についても詳しく教えていただきました。鮒ずしはそのまま薄切りにしていただくのが基本ですが、薄く切ることで発酵の香りがまろやかになり、より食べやすくなります。熱々の白いご飯と一緒に味わうのもおすすめで、ご飯のほんのりした甘みが鮒ずしの塩気と旨味をやさしく包み込み、絶妙なハーモニーが生まれます。北村さんは、鮒ずしを小さく刻んで野菜と和えたり、刻んでお味噌汁の具に使うなど、日常の料理にアクセントとして取り入れる楽しみ方も教えてくださいました。発酵食品ならではのコクが料理全体を引き立て、お酒のおつまみには冷えた日本酒や焼酎と合わせるのがぴったりですよ。初めての方は少しずつ味わいながら、自分に合った食べ方を見つけていただきたいですね。

白鬚神社 神社の屋根にある巴紋

さて、最初にご案内いただいた「白鬚神社」について。ここは地元で縁起の良い場所として知られ、鮒ずしづくりの豊かな自然や伝統を見守っているのだそうです。先代は毎朝白髭神社に参拝していた際に、神社の屋根にある巴紋を参考に盛り方を考案したそうです。それまではただ輪切りにして販売していたとのことです。毎年この神社でお参りし、良い鮒ずしが作れるよう祈願している北村さんの姿からは、伝統を大切にし、自然とのつながりに感謝しながら鮒ずしづくりに向き合う心意気が伝わってきました。

喜多品の鮒ずしは、ただの食べ物ではなく、自然と人の手が織りなす歴史と文化の結晶。
ぜひ一度味わってみてくださいね。

近江高島での取材後、asakoさんが鮒ずしを使ったアレンジメニューを4種類作ってくれました。ここからはasakoさん提案のメニュー紹介しますね。

鮒ずしを使ったアレンジメニュー

鮒すし&クリチ―onクラッカー
【鮒すし&クリチ―onクラッカー】

クラッカーの上にクリームチーズと鮒ずしをのせただけです。発酵×発酵は相性がよいですね。 私は普段、鮒ずしにウィスキーを合わせるのが好きでお酒との相性もよいなと思っているのですが、クリームチーズを合わせることで味わいがまろやかになり、食べやすくなるのと、いろいろなお酒に合わせやすくなります。

鮒ずしのお茶漬け
【鮒ずしのお茶漬け】

ご飯の上に、鮒ずしをのせて、小ねぎをのせてお茶をかけてどうぞ。鮒ずしの塩気がよい塩梅です。

鮒ずしとチーズののり巻き
【鮒ずしとチーズののり巻き】

のりの上にスライスチーズと鮒ずしをのせて、くるりと巻くだけ。手軽に作れるおつまみです。

鮒ずしのパスタ
【鮒ずしのパスタ】

えっ?パスタで???と思われるかもしれませんが、意外な組み合わせが新鮮です。しかも今回は鮒ずしの周りについている飯の部分も使います。 ボウルに細かくほぐした飯と、細かく刻んだ身、パスタ、黒こしょう、塩(様子を見て調整してください)、果汁(柚子など。あれば、皮も細かく刻んで)オリーブオイルを入れて和えるだけ。最後に鮒ずしの卵をちらして、青じそなどを飾って出来上がり。和えるだけの簡単パスタです。お好みで香りづけにほんのちょっとのお醤油を入れてもよいです。

赤野 裕文(あかの ひろふみ)
山口県出身。広島大学工学部醗酵工学科卒業。1979年、株式会社中埜酢店(ミツカングループ前身)に入社し、食酢の基礎研究やマーケティング、商品開発など食酢に関わるさまざまな分野を担当。2016年、株式会社Mizkanを定年退職し、現在は食酢エキスパート社員として食酢の啓蒙活動を行っている。
西出 麻子(にしで あさこ)
(株)Mizkanに勤務し、主にメニューや商品開発など味作りに関する業務を中心に携わる。会社勤務の傍ら、フランス菓子・和菓子など各方面の専門家に長年師事し、レッスン講師やアドバイザーとしても活動。、また、国内外の郷土菓子・伝統菓子の採集・再現や、「地域と伝統」をテーマにした新しい菓子作りにも取り組む。

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