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(1)初午いなりと稲荷ずし
初午いなりと稲荷ずし

 初午とは、2月になって初めての午の日のことをいいます。京都の伏見稲荷大社では、祭神・宇迦之御霊(うかのみたま)が伊奈利山(=稲荷山)に降りた日が和銅4年(711)の初午の日といわれています。そこから、全国に分祠した各地の稲荷神社では、この日に豊作、商売繁盛、家内安全を願って、お祭りがおこなわれるようになりました。

 この日には稲荷ずしを食べるという習慣があります。稲荷神社のお祭りだから稲荷ずし。当たり前のようですが、ではなぜ油揚げのすしのことを稲荷ずしと呼ぶのでしょう。

 「宇迦之御霊」は別名を「御饌津神(みけつのかみ)」といいます。一方、狐の古名を「ケツ」といい、「御饌津神」はいつしか「三狐神」と書かれるように。そんなことが原因でしょうか、キツネは稲荷神のお使いとされるようになりました。

 また別説では、インドにまで話は飛びます。ヒンズー教の女神・ダーキニーは中国に入ると荼枳尼天(だきにてん)となり、そこでは同じヒンズー女神のチャームンダーと同一視されます。日本に入ると神仏習合が起こり、荼枳尼天は稲荷神の本地仏となりました。このチャームンダーのお使いがジャッカルだったのですが、そんな動物は日本にはいません。やむなくキツネがその役目を代わったのだ、ともいわれています。

 さて、キツネと油揚げの関係です。キツネの毛色が油揚げに似ているから、だとかいわれますね。また、キツネの好物が油揚げだ、ともいわれます。前の説はともかくも、後の説はどうでしょう。肉食に近い雑食のキツネですからね。そう思っていたら、キツネの好物はネズミの天ぷらであった、とか、チャームンダーの好物がネズミだった、という説もありました。ともに仏教の影響で、ネズミは精進の油揚げに変わった、とのことです。

 おいしい稲荷ずしを食べて、初午を祝いましょう。

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