そうめん研究家のソーメン二郎さん直伝の
そうめんの歴史や魅力、
美味しいそうめんのゆで方のコツをお披露目!
夏だけじゃもったいない!
通年楽しめる美味しい
そうめんアレンジレシピもご紹介します。文章・監修:ソーメン二郎
そうめんの歴史は、中国が唐の時代だった頃に遣唐船で
日本に運ばれてきた「索餅(さくべい)」に始まると言われています。
米粉と小麦粉を混ぜこよりになっている唐菓子が索餅で、
石臼を使った製粉、製麺の手法が中国から伝わり、
その後奈良県桜井市で三輪そうめんが作られ始められたと
一説にあります。
元来、そうめんは宮中の貴族、寺社で僧侶に食べられて来ました。
その後、江戸時代には夏に食べられる大衆文化に広がっていきます。
高貴であって大衆的。お中元の贈答と流しそうめん文化。
孤食ではなくコミュニケーションを大切にしてきた麺です。
これぞ1200年の歴史の小麦ケーション。
この先の1000年そうめんへ継がれていくことを願います。
長きにわたって、
そうめんは人々の食文化を支えてきました。
ご当地の伝統と地域性で今の形となった
ご当地そうめんは、それぞれに歴史があります。
1三輪そうめん
(奈良県)
奈良県桜井市を中心に生産される奈良県三輪素麺工業協同組合の手延そうめんブランド。
1ミリ前後の超極細麺で非常にコシが強いのが特徴。全国に多くある手延そうめんの中で最も歴史があるとされる。
お中元の贈答品の代表でもある。日本三大そうめんのひとつ。約49軒の製麺所がある。
2揖保乃糸
(兵庫県)
兵庫県手延素麺協同組合の手延そうめんブランド。日本最大の素麺組合で約400軒の製麺所からなるため全国的に流通している。
播州地方の逸品で600年以上の歴史を持ち、豊臣秀吉が姫路城に入った時に播州そうめんを食して以来、庶民も食べるようになり広がりを見せたとされる説がある。揖保乃糸ブランドの中でも「三神」は限られた熟練の職人が製麺する0.5ミリの超極細麺。日本三大そうめんのひとつ。
※揖保乃糸は、兵庫県手延素麵協同組合の登録商標です
3小豆島そうめん
(香川県)
400年以上の歴史を持つ小豆島そうめん。小豆島手延素麺協同組合(約74軒)が製造するブランドは「島の光」。組合に属さないそれ以外の手延そうめんブランドも小豆島には多くある。小豆島の名産品であるごま油やオリーブオイルなどを使用して生産されている。日本三大そうめんのひとつ。
4島原そうめん
(長崎県)
南島原市で生産されている島原手延そうめんは、全国の約30%の手延そうめんを生産しているトップブランド。約220軒の製麺所がある。
島原の乱以降に移住した職人由来の伝来説と、江戸時代に寺社を建てた唐の僧侶(浙江省・江蘇省・福建省出身者)が製造方法を伝えた伝来説があると言われている。九州で圧倒的認知度を誇る。
5半田そうめん
(徳島)
200年以上の伝統を持つ徳島の名産品。半田そうめん協同組合のブランド品で製麺所は24軒からなる。
麺の太さで区分するJAS規格では、半田手延べそうめんは「ひやむぎ」に分類されるが、江戸時代からの伝統と麺文化の地域性が認められ、「そうめん」の表記となっている。
※半田そうめんは、半田手延べそうめん協同組合の登録商標です
製麺から、乾燥、出荷まで、
美味しいそうめんが出来上がるまで工場見学や、
基本の茹で方・おすすめレシピを見てみましょう
知っていると、いつものご家庭のそうめんが
今までよりも美味しく感じる、
茹で方のコツとポイントをご紹介します!
茹でる準備
たっぷりのお湯で茹でるべし
茹でている時
最初にほぐすのみ、あとはじっと待つべし
茹で上がったら
冷水でそうめんをもみ洗いすべし
食べる直前
氷水でキンキンに冷やし水気を取るべし
茹でる準備
たっぷりのお湯で茹でるべし
そうめん1束(50グラム)に対して10倍以上のたっぷりのお水を用意してグツグツ沸騰させましょう。
2束だと1リットル以上たっぷりと入れます。そうめんが対流できるようになるべく大きめの鍋を使いましょう。
茹でている時
最初にほぐすのみ、あとはじっと待つべし
お湯が沸騰したら、そうめんの帯を外して鍋に入れましょう。菜箸で最初にほぐすだけでOKです。
ずっとかき混ぜる必要はありませんので、対流に任せてパッケージに表記がある茹で時間で茹でます。
茹で上がったら
冷水でそうめんをもみ洗いすべし
茹で上がったら、シンクに用意しておいたザルにそうめんをあけます。すぐに触ると熱いですので
冷水をかけながらしばし待ちます。そうめんは油を使っていますので(一部油を使って製麺されていないものもあります)
その油と塩味を取るためにそうめんをもみ洗いしぬめりを取ります。のどごし(のど走り)が良くなります。
食べる直前
氷水でキンキンに冷やし水気を取るべし
もみ洗いした後は、ボウルに氷水を入れて手が冷たくなるくらいまでそうめんをキンキンに冷やしましょう。
最後に、そうめんの水分を切るためにザルにそうめんを入れて手のひらでぐっと押し付けて水分を出し切りましょう。
水分を切ったらそのまま器に盛り付けて、すぐに召し上がって下さい。この作業だけでご家庭のそうめんが今までよりも
美味しく感じると思いますよ。
ボウルに入った氷水に長時間そうめんをつけている場合がありますが、やめましょう。
そうめんが水分を含んでコシがなくなってしまうのと、めんつゆが薄くなりますね。
氷水でしめた後は、すぐに食べましょう。めんつゆも冷蔵庫で事前に冷やしておきましょう。
またパッケージを開けて残った乾麺の状態のそうめんは、保存容器に入れて冷蔵庫で冷蔵保存してください。
★沸騰したお湯に梅干しを1粒入れて、そうめんを茹でると、クエン酸効果でそうめんのコシが強くなります。
そうめん研究家。奈良県桜井市の三輪そうめん製麺所の家系に生まれる。
全国の手延そうめんをマルチメディアで紹介し新しいそうめんレシピを考案する活動を行う。
著書に「ラク旨!無限そうめんレシピ」(扶桑社ムック)、そうめん絵本「そうめんソータロー」(ポプラ社/作・岡田よしたか、原案企画・ソーメン二郎)がある。年中そうめんが流通し食べてもらえる食文化にすることがスローガン。