お酢を使った基本ドレッシングレシピ 3選

おいしいサラダ作りのコツは、素材の扱い方にあり!

サラダは、水分の多い野菜を中心にした素材をおいしく食べるための料理。そのため、その水分がサラダのおいしさを左右します。
収穫したての野菜は、みずみずしくてどんなものでもおいしい。しかし、収穫された時から素材の乾燥が始まり、生育環境から流通環境へ温度変化することで、野菜のストレスも溜まっていきます。

また、野菜の酵素は収穫後も野菜の中にあるので、さらに成長しようとして、おいしさにも日々変化が起こっているといえます。また、水分が蒸れて25~30°Cの温度になると雑菌も繁殖しやすくなり、輸送の梱包の際、モノどうしの重みが当たることでダメージもあります。そうしたことが起きているのが、店頭から買ってきた野菜の本当の姿です。

従って、買ってきた野菜をおいしく食べるには、元気を回復させ、鮮度を取り戻してから調理するのが、本来必要なプロセスと言えます。そのため、冷たい水(10~15°C程度)で冷やし、水分を与えて元気にしてから使います。

おいしいサラダの基本の手順・覚えておきたいコツ

(1)素材に水分を与える

サラダの主体は生野菜。でも、買った素材を切っただけでそのままサラダにするのはNGです。まずは素材を生き生きと復活させます。ベビーリーフならそのまま、レタスやキュウリなら丸のまま冷水に放って20~30分浸け、穫れたての生き生きした元気な状態に戻します。この時、ぬるい水ではダメ。水道水に氷を3かけくらい入れて冷水にします。
ベビーリーフはヘタった葉を取り除き、切り口をカットするとより良いです。葉野菜は葉をはがして、切る前に切り口に水を与えるようにします。キュウリやトマトも丸のまま水につけると水分を含んで皮がパリッとします。こうしてみずみずしい食感と香りを戻してから使います。

(2)食感や彩りをイメージして野菜を切る

野菜を元気にしたら、野菜を切ります。
サラダ菜などの葉野菜は、包丁で切るよりちぎったほうがおいしいので大きめに。
玉ねぎや長ねぎは味わいのアクセントに使うので少し薄切りに。
パプリカやキュウリなどの野菜は、彩りも考えて細切りや角切りに。

(3)もう一度水につける(本腰を入れた水分補給の場合)

切った野菜はできればもう一度冷水に浸けます。元気になっているので、この浸水は短時間で構いません。
玉ねぎやねぎは辛味が抜け、細切り、薄切りの野菜は張りが出ます。この時、角切りの野菜は十分に水分があるので、水につける必要はありません。また、旨み部分が崩れてしまうので、切ったトマトも浸けません。

(4)余分な水分を除く

カットして水に浸けた野菜は、サラダドライヤーなどでよく水けを取ります。野菜の表面についた水は野菜本来の水ではなく、洗ったり浸したことによる水道水。そのままドレッシングをからめると、味も薄まってしまいます。
元気になった野菜はパリッとしてあちこち張りが出ているので、水も余計に溜まりやすくなっています。そのため、しっかり水分を除くのですが、サラダドライヤーのない人は、ざるにあげて数回振り、ペーパータオルで優しくつかむようにして水気を拭き取ります。前もって野菜を元気にしていれば、これを何度か繰り返してもヘタることはありません。

(5)ドレッシングの水分を考え、合わせる素材の順番を決める

このまま器に移してドボドボドレッシングをかける・・・のはNGです。
ボウルに、トマト以外の野菜を入れます。トマトはそのままで味わいもあるので先に味付けしなくてよく、種の周りの水分と酸味でほかの野菜を水っぽくするため、後で加えます。ハムやツナ、塩味や油のある素材もこの時点では加えません。
まず、大さじ1~2のドレッシングをかけて、できれば手やトングなどで全体をよく混ぜます。野菜を持ち上げて、ボウルにドレッシングが落ちないくらいがよく絡んだ目安です。ここで、トマトやほかの素材を加えてさらに小さじ1~大さじ1程度のドレッシングを加えて和え、器に盛ります。ドレッシングは少ないかなと思うくらいの液量で十分です。野菜もみずみずしく、余分な水分も除かれ、表面にきちんとドレッシングがなじんでいるので、おいしいはずです。

究極のドレッシングは、油・塩・酢を順に混ぜるだけでOK

上記の1~5の手順で、ドレッシングの材料を順にかけるだけでも、よく和えることでおしいサラダが出来上がります。

「ド・シンプルサラダ」

(材料)2人分
ベビーリーフ:50g
グリンリーフ(サラダ菜・サニーレタス・レタス):2~3枚(50~70g)
オリーブオイル:大さじ1~2
ミニトマト:4個
塩:小さじ1/4
酢:小さじ2
胡椒:少々

(作り方)
① グリンリーフは一口大にちぎる。
② ボウルに張った冷水に①とベビーリーフを20分浸けてパリッとさせる。
③ ザルにあげ、よくふって水気を切り、ペーパータオルで軽くつかんでさらに水気をふきとる。

④ ボウルに野菜を入れ、オリーブオイルを加え、全体にほぐすように、からむように混ぜる。ここからは、できれば手を使って。
⑤ 塩をからめ、酢、胡椒を加え、都度よく混ぜる。和えた後にドレッシングがボウルに残らないようにする。

「ド・シンプルサラダ」の「究極のドレッシング」で和える際のポイント

(1)油、塩、酢の順番で

「先ず、油」を絡め、水分が出ないように野菜をコーテイングする
「次に、塩」を振って、野菜全体に付着させる
「最後に酢」を加えて、塩を溶かし、酸味を加える
この順番で全体に味がなじみ、追いドレッシングをする必要もありません。
味がよくなじんだ野菜は、ステーキやソテーの付け合わせにもなります。

(2)変化をつけるなら、香りづけや風味づけに工夫を

例えば、
・和えるボウルにニンニクや生姜の切り口をこする
・油をオリーブ油やごま油に変える
・塩を半分醤油や味噌にする
・油を絡めてからポン酢をからめる
・砂糖を加えて味わいに変化を出す
・酢を米酢やレモン汁、バルサミコ酢などに変える
こうしたことで、香りや風味が大きく変わります。

冷蔵庫にある物で作れる!
覚えておきたい、混ぜるだけのドレッシングレシピ

1 胡麻ドレッシング
出来量 1/2cup
砂糖:小さじ1
醤油:大さじ2
穀物酢:大さじ2
こめ油または菜種油:大さじ2
刻みゴマ:大さじ2
2 醤油ドレッシング
出来量 1/2cup
醤油:大さじ2
穀物酢または米酢:大さじ3
ごま油:大さじ1~2
水:大さじ1
3 フレンチドレッシング
出来量 1/3cup
塩:小さじ1/2~
穀物酢:大さじ2
オリーブ油:大さじ3
胡椒:10振り
4 中華ドレッシング
出来量 1/2cup
醤油:大さじ2
穀物酢または玄米黒酢:大さじ3
ごま油:大さじ2~3
生姜のすりおろし:小さじ1/2
ニンニクすりおろし:小さじ1/2
砂糖:小さじ1

ドレッシングを作る時の混ぜ方

ドレッシングはドレス(まとう・身に着ける)の名詞。野菜に、油や酢といった液状のものをまとわせるには、水分が落ちないで、しっかりと絡まることが重要。そのために必要なのは、適度なとろみ・粘性と、それを生み出す油と水分による乳化です。水分と油はもともと混ざり合わないため、この乳化を、激しい衝撃、攪拌で意図的に起こします。

また、油はなかなか固体を溶かさないので、塩や砂糖は、酢や水分調味料に溶かしておき、そのあとに油を加えます。これも一気にではなく、まずは1/3量くらいずつ。それを絶えずよく混ぜることで乳化が起こり、とろっとしてくるので、最後に残りを加えます。または、ボトルなどに材料を入れて使う前に振ることでも乳化を促します。ドレッシングの配合によって乳化の起こりやすさの差はありますが、油がないと乳化は起こらないので、油を減らしすぎないことが大切です。
野菜には液体のドレッシングをかけるより、乳化してとろりとしたドレッシングをかけることで、適量をかけることができ、すぐに野菜がへたらないので、野菜そのものの食感と味わいが残ります。