野菜の選び方 5選
きゅうり
色が濃く、イボが多く、ブルームのあるものを
長さや曲がり具合を見るより、まずは重みのあるものを。また、表面に痛いくらいのイボが多く(ただ、イボがない品種もあります)、見た目は太くて緑の色が濃いものを選びます。また、緑の濃い部分にブルームという白っぽい粉のようなもので覆われているのが新鮮です。
きゅうりは夏野菜なので、冷やしすぎには注意。保存の適温は10~15°Cです。横に倒してきゅうり同士を密着させると、尖ったイボで皮を傷つけたりするので、注意してください。冷やしすぎと密着を防ぐため、ペーパータオルなどでざっと包み、ポリ袋に入れ軽く口を閉じて、できれば縦にして保存します。
おいしくないきゅうりに当たってしまったら、生で使わずに、皮をところどころむいて種をそぎ、ズッキーニのように、炒め物にするのが一番です。
トマト
色とスターマークを見る
トマトは、全体に色が均一でヘタの葉の部分がしなびておらず、緑色が残っているものが新鮮です。スーパーで購入する際には、ヘタが下になってパックされていることが多いため、葉の状態や色ムラが見えないことがあります。その際は、トマトの形と色、重さを先に確かめます。
形は、角張ったり変形していない、ずんぐりと丸いほうがよく、皮が固くて触るとしまっているものが、トマトに空洞が少なく、鮮度が良く甘味も濃いといえます。青臭かったり、オレンジ色に近い赤みのものや、角張ったものは、酸味が強く、種の周りの旨みのあるゼリー状が少ないので、おいしくありません。
品種にもよりますが、ヘタと反対のトマトのおしりには、スターマークという星のような白い縦じわ線があり、これが長いほど甘くて水分が多い傾向です。また、購入の際は分かりにくいのですが、水に沈みやすいのも糖度が高く水分が多い証拠です。
おいしくないトマトを買ってしまった時は、冷凍(別記述)するか、輪切りにしてマリネにすると、おいしく活用できます。
輪切りマリネ
(材料)
トマト:2個(300g)
A塩:小さじ1/4
砂糖:ひとつまみ
酢:小さじ2
オリーブ油:小さじ1
(作り方)
① トマトはヘタを取って1cm幅の輪切りにし、器にずらして並べる。
② Aを順にかけ、冷蔵庫で1時間マリネし、味をなじませる。
キャベツ
春と冬では違う
春キャベツ、冬キャベツで選び方が異なります。
春キャベツは、葉の巻きがゆるゆるでふわっとしていて、緑の色が濃いのが、中までやわらかく、みずみずしいものになります。芯の大きさが直径3cm前後のもので、切り口が変色していないものを選んでください。芯が太いものは中が固めです。
半分にカットしたものは、切り口が変色していたり、乾燥していないもの、葉が割れていない、芯が伸びていないものを選びます。
冬キャベツは、葉がぴっちりと巻かれ、締まっていていてはがしづらいくらいのものが新鮮です。選ぶ際には、葉脈が均一で、形は上下が抑えられたように扁平で、上から見て楕円くらいのものが、しっかり巻きのある甘いキャベツです。意外と緑色が濃くないので、色よりとにかく重いのが一番。こちらも、芯の切り口が変色していない、大きさが3cm前後のものを選びます。
半分にカットしたものは、切り口が変色、乾燥していないもので、葉がぴったり巻かれ、層が細かく厚く、芯が中まで伸びていないものを選びます。
キャベツを加熱すると蒸れたにおいがすることがあります。土臭い、ガスくさい、辛味を帯びたにおいですが、キャベツはアブラナ科の野菜でイソチアシアネートという抗酸化物質を多く含み、これが時間がたって空気に触れることで、ジメチルスルフィドという成分に変化し、特有のにおいを漂わせるためです。
また、これが臭うのは、鮮度が落ちているためとも言えます。新鮮であっても、冬よりも春先に臭いが気になることもあり、これは土壌や品種にもよるものです。加熱して臭いが気になるような時は、蒸し物やスープ、シンプルな調味にすると余計臭いが際立つので、レモン汁やドレッシングなど酸味のある調味料をかけたり、カレー粉、ソース、オイスターソースなどで濃いめに味つけするとよいでしょう。
ブロッコリー
上から輪郭を見る
まず茎を持ってみて、花蕾の部分がうなだれるくらい重いこと、くるりと回して横から見て、花蕾の黄色みが一切ないのが、新鮮な証拠です。花蕾を上から見た時に、なめらかな線で円を描けることも確認してください。花が開いていたり密度がないものは、この線がぼこぼこで、バサバサです。包丁を入れる場所がわからないくらい詰まっているのが、鮮度の良いものです。
このように、なめらかな線が描けて、黒に近い濃緑の色合いで、花蕾が見えないくらい固まって飛び出していないのが鮮度もよくおいしいブロッコリーですが、紫色がかるのは、寒さから身を守るようアントシアニンを生成するため。その過程で寒さへの防衛本能によってブロッコリーの糖度が上がり、甘味を増します。この紫色は加熱すると緑に戻ります。
大根・にんじん
まっすぐで、ずっしりしたものを
根菜類は太くてずんぐりしたものよりも、細くすらっとした長いものの方が味わいが良いとされます。生育した土が柔らかいので、それだけ伸びやすく、水分や栄養をもらっていたことになります。表面もつやつやしてなめらかで、ひげ根も深くなく、まっすぐに均一なピッチであることもそれを表します。
大根はほとんど水分なので、ずっしり重くてみずみずしいことが、おいしいことを表します。葉がついているものの方が新鮮なように思えますが、葉に栄養分を持っていかれてしまうので、葉を落としたものや、葉が枯れているくらいの方が甘みがあります。
にんじんの葉付きのものは店頭で見ることは少ないので、茎の切り口の大きさで良し悪しを見ます。切り口が小さいほうが中まで水分が多く、柔らかく、オレンジ色も濃くなります。切り口が大きくなるのは、じっくり育たなかったためで、にんじんの大きさが同じでも、水分、甘みが不足します。
大根と同様、細くすらっと長いものの方が味わいが良いとされます。それだけ生育した土が柔らかく、伸びやすく、水分や栄養をもらっていたことになります。表面も凸凹がなく、ひげ根も深くなく、まっすぐに均一なピッチであるも
のを見分けましょう。しわがあったり、切り口が変色しているのは、収穫してから乾燥状態が続いたことを表します。先が丸いか細いかは品種によりますが、オレンジ色が濃く均一であるほうが香りもよく、甘味が強くなります。