すし屋ですしを注文すると、たいていの場合、2個ずつ握ってくれる。
これを「2カン漬け」というが、1個の注文で、値段は勝手に2倍になる。
こんな商売をするのは、おそらく日本のすし屋だけであろう。
では、なぜ2貫漬けが始まったか。これについては、わからない。
1個食べると必ず2個目が欲しくなる、とか、戦時中は魚の種類が少なくなって、店のタネを全部握っても、1個ずつではお腹いっぱいにならないから、とか、いろいろな説があるが、決め手には欠ける。
非常に大きなすしを出す店が、サービスとして2つに切って出した。
ここから、すしは2つずつ出すようになった、という声もあるが、戦前のその店の写真を見ると、2貫のすしが半分に切ってあって、合計4貫。つまりこの店でも、もともと、握りずしを2貫ずつ出していたことになる。