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(2)すしはナゼ2カンなの?

すし屋ですしを注文すると、たいていの場合、2個ずつ握ってくれる。
これを「2カン漬け」というが、1個の注文で、値段は勝手に2倍になる。
こんな商売をするのは、おそらく日本のすし屋だけであろう。

では、なぜ2貫漬けが始まったか。これについては、わからない。
1個食べると必ず2個目が欲しくなる、とか、戦時中は魚の種類が少なくなって、店のタネを全部握っても、1個ずつではお腹いっぱいにならないから、とか、いろいろな説があるが、決め手には欠ける。
非常に大きなすしを出す店が、サービスとして2つに切って出した。
ここから、すしは2つずつ出すようになった、という声もあるが、戦前のその店の写真を見ると、2貫のすしが半分に切ってあって、合計4貫。つまりこの店でも、もともと、握りずしを2貫ずつ出していたことになる。


日比野 光敏(ひびの てるとし)
1960年岐阜県大垣市に生まれる。名古屋大学文学部卒業、名古屋大学大学院文学研究科修了後、岐阜市歴史博物館学芸員、名古屋経済大学短期大学部教授、京都府立大学和食文化研究センター特任教授を歴任。すしミュージアム(静岡市)名誉館長、愛知淑徳大学教授

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