ミツカングループの2022年度上期(2022年3月~8月)業績は以下のとおりです。
ミツカングループ
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区分 | 業績 | 前年度比 | (2021年度金額) |
---|---|---|---|
売上高 * | 1,276億円 |
111.5 % | 1,145億円 |
エリア別
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区分 | 業績 | 前年度比 | (2021年度金額) |
---|---|---|---|
日本+アジア事業売上高 * | 539億円 |
93.7 % |
575億円 |
北米事業売上高 | 655億円 | 132.1 % | 496億円 |
欧州事業売上高 | 81億円 | 111.5% | 73億円 |
国内セグメント別 *
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区分 | 業績 | 前年度比 | (2021年度金額) | |
---|---|---|---|---|
家庭用売上高 | 419億円 | 90.3 % | 464億円 | |
食酢 | 131億円 | 89.1 % | 148億円 | |
ぽん酢 | 60億円 | 89.6 % | 67億円 | |
つゆ・ 鍋つゆ |
62億円 | 93.0 % | 67億円 | |
納豆 | 129億円 | 92.7 % | 139億円 | |
業務用売上高 | 103億円 | 103.9 % | 99億円 |
*国内売上高については、2022年度より「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号2020年3月31日)」を適用。リベート等の顧客に支払われる対価について、従来、販売費および一般管理費として処理していたものを売上高から控除。(2021年度については旧基準の金額で記載)
1.ミツカングループ2022年度上期業績概況
2022年度上期のミツカングループ合計売上高は、前年度比11.5%増の1,276億円となりました。
日本+アジア事業が減収となりましたが、北米事業、欧州事業につきましては、為替の影響を除いても増収となり、グループ合計売上高でも増収となりました。
世界的には依然として、ロシア・ウクライナ情勢を起因とするエネルギーや原材料費などの高騰、インフレ、米国の経済政策影響による円安など、事業をとりまく環境は不透明な状況にあり、グループ合計売上高では増収となりましたが、利益の確保については予断を許さない状況です。引き続き、それらが生活者の意識や行動、サプライチェーンに与える影響や変化に対応してまいります。
海外売上高比率(グループ合計売上高に占める北米、欧州、アジアの売上)は58.2%となりました。
2.各事業の概況
<日本+アジア事業>
2022年度上期の日本+アジア事業の売上高は、前年度比6.3%減の539億円となりました。
家庭用売上高の減収に加え、2022年度より、新収益認識基準を適用している影響もあり、トータルで減収となりました。前年度売上高に新基準を適用した場合の前年度比は96.1%となります。
家庭用売上高は、前年度比9.7%減の419億円となり、業務用売上高は前年度比3.9%増の103億円となりました。
前年度売上高に新基準を適用した場合の前年度比は、家庭用92.9%、業務用104.9%となります。
家庭用売上高は内食需要の冷え込みやインフレに伴う家計の節約志向もあり、需要が落ち込み、減収となる一方、行動制限の解除に伴う外食機会の増加により、業務用売上高は増収となりました。
食酢につきましては2022年6月より価格改定を実施し、一時的な販売数量減少の影響もありました。
また、納豆につきましては、昨年度まで7年連続増収、過去最高売上を更新しておりましたが、2022年度上期は減収となりました。自社納豆事業の売上№1商品である「金のつぶ たれたっぷり!たまご醤油たれ」は前年水準を維持しております。
業務用売上高については、2年連続の増収となりましたが、2019年度上期の水準までには及んでいません。
下期については、家庭用は主要施策となる鍋メニューへの取り組みを重点化してまいります。鍋メニューは健康、簡便に合致したメニューであり、市場は引き続き、堅調に推移すると見込んでおります。
具体的には、トレンドの辛味に着目した「辛鍋つゆシリーズ」や、好評いただいております「スープも味わうしゃぶしゃぶシリーズ」の新商品を発売し、肉だけでなく野菜もたくさん摂れるメニューや商品を提案し、更なる市場の活性化を図ってまいります。
食酢につきましては、価格改定による一時的な販売数量減少はありましたが、第3四半期以降は徐々に回復してきております。引き続き、健康機能の認知拡大を促進するための食酢の3つの機能(「肥満気味の方の内臓脂肪減少」「血圧が高めの方の血圧を下げる」「食後の血糖値上昇を緩やかに」)の認知を拡大していくコミュニケーションを継続し、「おいしさと健康の一致」に応える提案をすすめ、市場の回復・拡大に貢献できるよう取り組んでまいります。
具体的には愛知県ですすめてきた「みんなのお酢活」プロジェクトの取り組みの知見を活かし、生活者の健康増進への関心を醸成していくPRを推進しながら、「お酢15mlをおいしくとる」という体験を家庭内だけでなく企業の職場や外食店、小売店とも連携し、体験できる機会を更に広げ、需要を創造していく取り組みを進めてまいります。
ぽん酢につきましては、上期から始動しました味ぽんの「しあわせ、ぽん!プロジェクト」の取り組みを継続、加速させてまいります。中長期にわたり、幅広い世代から末永く支持され続けるブランドとなるよう、食品、調味料の枠を超えた体験や思い出となるブランドの接点を創出する取り組みを継続してまいります。
納豆につきましては、9月は価格改定の影響で販売数量が減少し、売上金額は前年に及びませんでしたが、10月は前年水準を維持しております。
下期は、新商品として「金のつぶ バターしょうゆたれ」や、味ぽんの味わいを活かしたたれの「ミツカン美味(うま)ぽん納豆」を発売、上期も好調だった「金のつぶ 梅風味黒酢たれ」を始め、「たれで楽しむ納豆」の品ぞろえを強化し、新しいお客様の取り込みや喫食機会の拡大を図ってまいります。
また、納豆本来のおいしさにこだわった「金のつぶ 国産小粒納豆」も新発売いたしました。これからも「食生活に“新しい体験価値” をつくる」をコンセプトに「金のつぶ」ブランドに注力し、新しさ、楽しさをお届けし、納豆市場の活性化に取り組んでまいります。
今後も中期の視点では、主食・即食領域において、当社の強みである発酵技術を活かしながら、新商品の開発を進めてまいります。
「未来ビジョン宣言」の実現にむけた取り組みも広げております。
4月には食品3社(キッコーマン株式会社、キユーピー株式会社、日清オイリオグループ株式会社)とともに、プラスチック容器の資源循環という社会課題へ対応すべく、調味料・食用油業界におけるリサイクルペットボトル使用の推進を目的とした安全性評価の研究を地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所の尾崎麻子主幹研究員の監修のもと、4社合同で実施、研究成果をまとめた論文を発表致しました。
5月には使用済みプラスチックの再資源化技術の開発・実用化を推進する共同出資会社「株式会社アールプラスジャパン」に資本参加いたしました。
また、4月に始動しました日本女子大学との共創プロジェクト「にっぽん食プロジェクト」につきましても、9月より家政学部食物学科の飯田文子教授を中心に、JWU社会連携科目「課題解決型ワークショップ にっぽん食を考える」を開始し、多様化する食文化や価値観を若者の視点で捉え直し、新しい食の価値やこれからの食の未来を探求・創造することをともにすすめてまいります。
京都市と交わした「食品ロス削減に資する取組の連携に関する協定」の取り組みも3年目に入り、「もったい菜漬け」「もったい鍋」「まるごとベーカリー」に参画する生産者、外食店、小売店も広がってきております。
<北米事業>
2022年度上期の北米事業の売上高は、前年度比32.1%増の655億円となりました。
サプライチェーンの混乱も落ち着き、パスタソース事業、食酢を中心とした調味料事業いずれも増収となりました。為替の影響を除いても前年を上回る売上となりました。
いずれの事業も価格改定を計画通りすすめることができ、売上数量も想定内で推移しております。
パスタソース事業につきましては「RAGU(ラグー)」、「Bertolli(ベルトーリ)」ともに前年度売上を上回りました。
また、食酢を中心とした調味料事業についてもNB商品の拡売と工場の新規ラインの稼働が売上拡大に貢献いたしました。
下期は、昨年のサプライチェーンの混乱による供給面の不安から抑えていた販促活動を推し進め、売上拡大を図ってまいります。パスタソース事業は、2023年に向けて主力品のリニューアルや新しいプレミアムラインの新商品などの検討をすすめてまいります。また、食酢を中心とした調味料事業は、主力のブランド品と日本食ビジネスの拡売で売上拡大を図ってまいります。
<欧州事業>
2022年度上期の欧州事業の売上高は、前年度比11.5%増の81億円となりました。為替の影響を除いても前年を上回る売上となりました。
「Branston(ブランストン)」、「SARSON‘S(サーソンズ)」は価格改定を実施し、「Branston」は100周年プロモーションの効果もあり、前年度から売上拡大いたしました。
日本食ビジネスも価格改定を実施し、ロシアへの出荷停止影響があったものの、売上増となりました。
下期につきましては、「Branston」は最需要期の12月に向け、TVCMを含めたプロモーションや新商品の投下を行い、売上拡大を図ってまいります。
<ZENB事業>
「ZENB」は、植物を可能な限りまるごと使い、おいしくてカラダにいい、「人と社会と地球の健康」に貢献する、ウェルビーイングな食生活を提案するブランドです。
2022年度はZENBが掲げる価値観や考え方に賛同してくださる人達の共感、共鳴を醸成するためのコミュニケーション活性化に加え、リアルイベントやポップアップストアなど「ZENB」の認知拡大とおいしさを体験、実感いただける機会を設けることに積極的に取り組みました。
「ZENBは知ってはいるけど食べたことはない」というお客様にリアルな食体験を提供する機会として、おいしくて、カラダにいい、人と社会と地球の健康に貢献するメニューをZENB NOODLEで体験できる「罪なき屋台」の出店、DEAN&DELUCAでの「ZENBマメロニ」をつかったお弁当の提供を実施し、好評を得ました。
また、更なる認知拡大にむけ、スペインの名門サッカーチームのFCバルセロナと「グルテンフリーフードパートナー」としてパートナーシップの契約を締結し、新しい取り組みをスタートさせています。
購買チャネルとしては、AmazonなどのECモールでの販売も開始しました。
Amazonでは、「Amazon.co.jp販売事業者アワード2022」の「Day One賞」(過去1年以内に販売を開始し、初年度からお客様満足度、品揃え、売上などの観点で最も活躍した販売事業者に贈られる賞)を受賞いたしました。
新商品では5月に発売しました「ZENB NOODLE」の第2弾の細麺タイプも好評を得ており、「ZENB NOODLE」シリーズで累計販売数700万食を突破いたしました。
8月に発売した、ヘルシーな新しい朝食習慣を提案する「ZENBミール」もその調理の手軽さやメニューの汎用性の広さから好評をいただいており、ZENBブランドの累計販売食数も 1,000万食(ZENB PASTE以外の商品合計)を超えました。
下期についても引き続き、「『食べる』のぜんぶを、あたらしく。」、「新しいおいしさで変えていく社会」の実現をめざし、共感してくださるステークホルダーの皆様とともに、新しい食生活を提案するビジネスモデルの構築や新商品開発など、様々なコミュニケーション・体験企画を予定しております。
今後もミツカングループは「買う身になって まごころこめて よい品を」、「脚下照顧に基づく現状否認の実行」を永遠に守るべき2つの原点とし、「未来ビジョン宣言」に沿って、「人と社会と地球の健康を大切にする」、「おいしさと健康の一致」の実現に向け、グローバル展開を推し進めながら、環境変化に対応し、「ミツカンらしい経営による持続的な成長」を目指していきます。