ミツカングループの2020年度(2020年3月~2021年2月)決算概要は以下のとおりです。
ミツカングループ
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区分 | 業績 | 前年度比 | (2019年度金額) |
---|---|---|---|
売上高 | 2,429億円 | 100.9% | 2,407億円 |
経常利益 | 172億円 | 223.1% | 77億円 |
償却前営業利益(EBITDA) | 325億円 | 126.3% | 257億円 |
エリア別
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区分 | 業績 | 前年度比 | (2019年度金額) |
---|---|---|---|
日本+アジア事業売上高 | 1,203億円 | 100.9% | 1,193億円 |
北米事業売上高 | 1,090億円 | 102.0% | 1,068億円 |
欧州事業売上高 | 134億円 | 92.6% | 145億円 |
国内セグメント別
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区分 | 業績 | 前年度比 | (2019年度金額) | |
---|---|---|---|---|
家庭用売上高 | 994億円 | 106.0% | 939億円 | |
食酢 | 269億円 | 102.8% | 261億円 | |
ぽん酢 | 154億円 | 108.1% | 143億円 | |
つゆ・鍋つゆ | 200億円 | 114.4% | 175億円 | |
納豆 | 271億円 | 104.8% | 258億円 | |
業務用売上高 | 188億円 | 80.4% | 235億円 |
注) 金額は純額表示
1.ミツカングループ2020年度業績概況
2020年度のミツカングループ合計売上高は、前年比0.9%増の2,429億円の増収となりました。
内食需要の高まりで、つゆ・鍋つゆ、ぽん酢を始めとした家庭用商品の主要セグメントが好調な国内事業、また、パスタソースを中心とした家庭用商品が大きく伸張した北米事業が前年を上回り、グループ全体として前年を上回りました。国内・海外とも業務用事業が苦戦しましたが、家庭用事業の伸張により増収となりました。
また、海外売上高比率(グループ合計売上高に占める北米、欧州、アジアの売上)は50.8%となりました。
経常利益は前年比123.1%増の172億円で増益となりました。要因は、日本+アジア事業、北米事業の増収によるものです。
償却前営業利益(EBITDA)は前年比26.3%増の325億円となりました。
2.ミツカングループ2021年度取り組み方針
2021年度も引き続き、「社員の安全/感染回避を最優先する」「感染拡散を起こさないよう最大限努力する」「外部の方へご迷惑をおかけしない」という方針に基づき、新型コロナウイルス感染症拡大防止に努めながら食品メーカーの責務を果たしてまいりますとともに、今中期経営計画(2019年度~2023年度)で掲げた「未来ビジョン宣言」の実現に向けて、コロナ禍で大きく変化した生活者の社会や環境に対する価値観に向き合い、新しい食生活に寄り添った提案をすすめてまいります。
3.各事業の概況
<北米事業>
2020年度の北米事業の売上高は、前年比2.0%増の1,090億円の増収となりました。
パスタソース、家庭用食酢の売上が内食需要の高まりで、前年から大きく伸張いたしました。
パスタソースについては、メインストリームカテゴリーの「RAGU(ラグー)」ブランド、プレミアムカテゴリーの「BERTOLLI(ベルトーリ)」ブランドともに売上が伸張いたしました。
食酢については、新型コロナウイルス感染拡大によるレストランの休業で業務用の売上が減少しているものの、家庭用に関しては、在宅時間の増加により、調理用途での消費が増え、また、衛生関連用途への使用も広がり、好調に推移いたしました。また、「未来ビジョン宣言」実現に向け、北米事業における選択と集中を図っていくために、ペッパー事業を売却し、2021年2月オーラムアメリカ社への事業譲渡手続きを完了いたしました。 今後、主力のパスタソース、食酢に経営資源を注力し、より強化してまいります。
2021年度は既存事業の変革と付加価値の高い新商品開発を推進し、将来的にも消費の主流となってくる「ミレニアル世代」や「Z世代」の支持を得るべく、販売チャネルやコミュニケーション戦略を構築し、「未来ビジョン宣言」実現に向けた取り組みをより強化してまいります。
<欧州事業>
2020年度の欧州事業の売上高は、前年比7.4%減の134億円の減収となりました。
要因は、「未来ビジョン宣言」に沿った価値の創出ができる事業の強化を目指し、収益性の良くないプライベートブランド商品の改廃を政策的に進めたことによるものです。日本食を中心とした業務用事業がレストランの長期休業の影響で不振でしたが、一方、スィートピクルスの「Branston(ブランストン)」や食酢の「SARSON’S(サーソンズ)」など、家庭用の主力ブランドについては、大きく売上が伸張いたしました。その結果、プライベートブランド商品を除く売上は前年を上回りました。
2021年度も引き続き、英国のお客様に長く親しまれ、市場でもトップブランドである「Branston」、「SARSON’S」に、「未来ビジョン宣言」に沿った新たな価値を吹き込めるように、新商品の開発に取り組み、市場の活性化を図ってまいります。
<日本+アジア事業>
2020年度の日本+アジア事業の売上高は、前年比0.9%増の1,203億円の増収となりました。
家庭用売上高は、内食需要の高まりで、食酢、ぽん酢、つゆ・鍋つゆ、納豆といった主要セグメントすべてにおいて増収となり、前年比6.0%増の994億円となりました。
一方、業務用売上高は新型コロナウイルス感染拡大の影響による外食向け需要の減少により、前年比19.6%減の188億円となりました。
食酢セグメントは、前年比2.8%増の269億円となりました。調理用の主力品である「カンタン酢」が前年比8%増と好調であったこと、またお酢ドリンクの新商品「フルーティス」が新しいオケージョンや楽しみ方で若い世代に支持され、食酢飲料が前年比13%増と伸張したことが要因です。
ぽん酢セグメントは、前年比8.1%増の154億円となりました。主力品である「味ぽん」の売上が好調だったことが主な増収要因です。「味ぽん」は内食、調理の機会が増える中、「餃子や鍋のつけだれ」に代表されるテーブルユース、また「さっぱり煮」のように調理に利用するキッチンユースの両方の需要が伸びたこと、また「人生100年、おいしく健康」をテーマにした減塩提案が支持されて、売上が伸張いたしました。
つゆ・鍋つゆセグメントは、前年比14.4%増の200億円となりました。特に鍋つゆについては「野菜を簡単においしく摂取できるメニュー」「家族が揃った囲みメニュー」として、年間を通して鍋メニューの実施頻度が増え、前年比20.6%増となりました。
納豆セグメントは、前年比4.8%増の271億円となりました。健康意識の高まりにより納豆需要が伸び、自社納豆事業の売上№1商品である「金のつぶ たれたっぷり!たまご醤油たれ」も前年比25%増と引き続き好調に推移しました。
また、下期に発売した新商品の「金のつぶ ご飯に合う濃厚焼肉タレで食べる旨~い極小粒納豆」も、納豆との意外な組み合わせのタレの面白さとおいしさが好評で売上伸張に貢献しました。
2021年度は「未来ビジョン宣言」の実現に向けて、以前にも増して高まった健康意識に応える提案、食事や調理のおいしさ、楽しさを通して家族のコミュニケーションや絆を深める提案、今後さらに伸張していく即食需要を踏まえた内食、中食、外食の垣根を超えた提案など、生活者の食における体験価値を高め、支持を得ることを通じ、更なる成長につなげてまいります。
具体的には、「お酢で日本を元気に!」「レシピのコト化」をテーマに提案をすすめてまいります。
「お酢で日本を元気に!」では食酢を中心に「健康意識」を徹底的に喚起する提案をすすめていきます。
内食・外食問わず、楽しく、おいしくお酢を飲んで、食べていただく習慣を定着させていきます。
特に「飲む」提案につきましては「食酢」だけでなく、かんきつ果汁に醸造酢を加えた「ぽん酢」で作る「ぽん酢サワー」という、意外で驚きのある新しい飲み方をSNSなどを活用し、話題化させながら提案してまいります。
「レシピのコト化」につきましては、「ライフステージ」を軸に設定し、生活者のライフステージごとの変化を捉え、それに沿って「誰と、どのように楽しんで作って、食べるか」を考えたレシピ提案を行い、その調理と喫食を通じて食の原体験をお客様と共創してまいります。具体的な取り組みとしては「NEOしゃぶ」「板前ベイビー」「デュエットクッキング」など、料理をもっと、おいしく、楽しくする今までにないレシピ動画も用意し、「ミツカンみんなのキッチンプロジェクト」として提案をすすめてまいります。
<ZENB事業>
「ZENB」は、植物を可能な限りまるごと使い、おいしくてカラダにいい、「人と社会と地球の健康」に貢献する、ウェルビーイングな食生活を提案するブランドです。
2020年度は5月に英国での販売をスタートさせ、日本・米国・英国での事業展開となりました。
2020年から2021年にかけて、手軽に食べられて1 袋で1食分の野菜が摂れる「ZENB VEGE BITES(ゼンブ ベジ バイツ)」を各エリアで発売し、また、日本にて、黄えんどう豆100%で作った、豊富な食物繊維と植物性たんぱく質の新主食「ZENB NOODLE(ゼンブ ヌードル)」を、米国、英国にて「ZENB Pasta(ゼンブ パスタ)」を発売いたしました。「人と社会と地球の健康」に貢献する商品をグローバルに展開し、好評を得ております。
また、日本においては、新商品や健康プログラムの施策を通じ、新規顧客の獲得、リピート率の向上に取り組み、共感者、支持者を増やしております。2021年度は各エリアによって取り組みのフェーズは異なりますが、「ZENB initiative」のコミュニティの構築やそこでのコミュニケーションを活性化させ、ZENBブランドの認知拡大を通じて「未来ビジョン宣言」への共感・共鳴を醸成し、引き続き、新しい食生活を提案するビジネスモデルの構築、更なる商品開発に取り組んでまいります。
今後もミツカングループは「買う身になって まごころこめて よい品を」、「脚下照顧に基づく現状否認の実行」を永遠に守るべき2つの原点とし、「未来ビジョン宣言」に沿って、「人と社会と地球の健康を大切にする」、「おいしさと健康の一致」の実現に向け、グローバル展開を推し進めながら、環境変化に対応し、「ミツカンらしい経営による持続的な成長」を目指していきます。