ミツカングループの2016年度(2016年3月~2017年2月)業績は以下のとおりです。
ミツカングループ業績
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区分 | 業績 | 前年度比 | (2015年度金額) |
---|---|---|---|
売上高 | 2,334億円 | 93.9% | 2,486億円 |
経常利益 | 140億円 | 293.9% | 47億円 |
償却前営業利益(EBITDA) | 349億円 | 102.0% | 342億円 |
エリア業績
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区分 | 業績 | 前年度比 | (2015年度金額) |
---|---|---|---|
日本+アジア事業売上高 | 1,129億円 | 101.9% | 1,108億円 |
北米事業売上高 | 1,055億円 | 89.2% | 1,182億円 |
欧州事業売上高 | 149億円 | 76.6% | 195億円 |
国内セグメント別業績
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区分 | 業績 | 前年比 | (2015年度金額) | |
---|---|---|---|---|
家庭用売上高 | 867億円 | 102.7% | 844億円 | |
食酢 セグメント |
222億円 | 111.1% | 200億円 | |
ぽん酢 セグメント |
148億円 | 102.3% | 145億円 | |
つゆ・鍋つゆ セグメント |
161億円 | 102.7% | 157億円 | |
納豆 セグメント |
222億円 | 99.5% | 224億円 | |
業務用売上高 | 245億円 | 99.6% | 246億円 |
注) 金額は純額表示
2016年度 業績について
(1) ミツカングループ業績概況
2016年度のミツカングループ合計売上高は、前年から約151億円減収の2,334億円となりました。海外売上高比率は約52%となりました。減収の要因は、国内事業の家庭用食酢やぽん酢・鍋つゆが、グループ基盤を支える事業として着実に成長したものの、北米事業、欧州事業が為替の変動の影響もあり、前年を下回ったことによるものです。為替影響が約161億円あるため、為替影響を除くと前年並みとなります。
一方、経常利益は前年から約92億円増の140億円となり、引続き本業は順調です。償却前営業利益(EBITDA)は前年から約6億円強の増加で349億円となり、キャッシュの創出力は拡大しています。増益の要因は、国内の食酢・ぽん酢など収益性の高い商品群が着実に成長したことに加え、ドル建て借入金返済に関わる為替や金利の変動リスクを避けるためのデリバティブ取引で評価益を計上したことによるものです。
(2) 日本+アジア事業
2016年度の日本+アジア事業の売上高は、前年比約1%増の1129億円となりました。日本国内における家庭用の売上高は、前年比約2%増の867億円、業務用の売上高は、前年比約1%減の245億円となりました。
食酢セグメントは2年連続で2桁成長となりました。お酢の健康機能を「酢の力」というかたちで、継続的にTV広告や新聞、Webサイトなど、多角的なメディアを通じて、訴求してきたことにより、食酢の需要を喚起いたしました。その上で、「カンタン酢」などの調味酢を使って簡単にできるメニューをTV広告などで継続的に提案したことや、食酢飲料の新商品発売などが売上拡大に貢献いたしました。
ぽん酢セグメントは、「鶏のさっぱり煮」を中心とした汎用メニュー提案の強化や、具入りタイプの新商品「ごまぽん」発売などの施策が奏功し、前年を上回りました。
つゆ・鍋つゆセグメントは、暖冬や野菜高騰に伴い市場自体は前年割れになったものの、ストレートパウチタイプ「〆まで美味しい」シリーズの寄せ鍋や地鶏味噌ちゃんこなどの和風の鍋が伸張いたしました。加えて、一人前の個包装タイプ「こなべっち」の売り伸ばしもはかり、前年を上回りました。
2017年度も「おいしさと健康」にこだわってまいります。
食酢セグメントでは、引き続き、お酢の健康機能を「酢の力」キャンペーンで訴求していくことで食酢需要を高め、好調な「調味酢」「食酢飲料」を中心に、新たな商品・メニュー・広告を展開してまいります。
ぽん酢セグメントでは、「鶏のさっぱり煮」を中心とした汎用メニュー提案の継続と、好調な「ごまぽん」や「たまねぎぽん」などの具入りぽん酢を育成することにより、ぽん酢市場を拡大してまいります。
商品とメニューの組み合わせで素材の「おいしさ」と楽しい食シーンを引き出すこと、お客様への提供価値をさらに高める工夫を行うこと、そして、健康のコミュニケーションを進化させることを実践し、「ミツカンならでは」の提案を行ってまいります。
(3) 北米事業
北米事業の売上高は、前年比約11%減の1,055億円となりましたが、為替影響を除くと、前年並みとなります。現地通貨ベースでは、食酢を中心とした既存事業は堅調に推移し、前年を上回りましたが、パスタソース事業は前年を約2%下回りました。これは、過年度の売上割戻の一部が今期計上となったことによるもので、これを修正した実質ベースでは、前年並みとなります。
2017年度のパスタソース事業は、引き続き、パスタソース市場を活性化する新商品を投入し、ブランド価値の活性化と事業の成長に取り組みます。具体的には、ラスティックカットと名付けた、大きくざっくりと野菜を切った具材たっぷりのパスタソースをシリーズで発売します。
また、昨年発売したベルトーリブランドのオーガニックシリーズのアイテムの拡充を行います。 米国市場で近年見られる、「リアル&フレッシュ」と呼ばれる消費トレンドにも、今後、「おいしさと健康」をキーワードに対応を強化したいと考えています。「リアル&フレッシュ」は、添加物をできるだけ使わず、自然由来のものを重視するというもので、ミレニアル世代がこのトレンドを牽引しています。
添加物無添加やナチュラル志向への対応はもちろんのこと、同時においしさを追求できるような技術革新にも取り組みます。
(4) 欧州事業
欧州事業の売上高は、前年比約24%減の149億円となりました。為替変動の影響が大きく、現地通貨ベースで見ると、前年に対して約3%の減少となっています。欧州事業を大きく分類すると、トップブランドのSarson's(サーソンズ)モルトビネガー、同じくトップブランドのBranston(ブランストン) スィートピクルス、Haywards(ヘイワ-ズ)サワーピクルス、日本食、小売スーパー向けPBがありますが、最も減収となったものがPBです。これは、収益性改善のために、政策の見直しを進めてきたことによるものです。
一方で、日本食とSarson'sモルトビネガーは好調でした。今年度も引き続き、注力して参ります。具体的には、欧州での日本食市場の成長に応えるため、業務用食酢の現地醸造設備を増強するとともに、Sarson’sモルトビネガーにおいては、お気に入りの野菜でピクルスを作る「Pickling」プロモーションなどを通じて、「おいしさと健康」をキーワードに需要拡大をはかってまいります。
(5) ミツカングループのコーポレートガバナンスと次期中期経営計画
ミツカングループは、グローバル展開を推し進めながら、環境変化に対応し、「ミツカンらしい経営による永続的成長」を目指していきます。海外事業の売上比率が5割を超える中、この「ミツカンらしい経営による永続的成長」を実現するために、ミツカンのコーポレートガバナンスをしっかりと構築し、各エリアに権限を委譲し、迅速に意思決定していきます。
ミツカンのコーポレートガバナンスは、次の3つの仕組みを骨格にして構築を進めています。ひとつめは、「企業理念を個人の行動に落とす仕組み」、2つめは、「中長期的な業績向上・成長を促す仕組み」、3つめは、「健全な経営のための意思決定・説明・監査の仕組み」です。
「企業理念を個人の行動に落とす仕組み」のひとつとして、16の業務を対象に、「ミツカンらしさとして守り浸透すべきこと」と、「ミツカンとしてよりよく変えていくべきこと」を、「ポリシー」としてまとめました。
ポリシーは、社員一人ひとりが、仕事で迷ったとき、悩んだときに、解決の糸口にしたり、他部署のポリシーを理解して、仕事の質を高め合うときに活用するものです。このように、「ミツカンのコーポレートガバナンス」を構築し、各エリアに権限を委譲し、迅速に意思決定することで、ミツカンらしさを提供し、お客様と共に成長してまいります。
また、2017年度は、次期中期(2019-2023年)に向けて、ミツカングループの「目的」、「ありたい姿」、「目標」の策定をスタートさせます。パスタソース事業買収から2年、グローバル化への対応に努めてきた結果、ミツカンらしいコーポレートガバナンスやグループ全体としての事業戦略が具体的に描けるようになってきました。
グループで統一された「ありたい姿」を定め、グループ一丸となって、一つの方向に向かうことで、ミツカングループをグローバルに融合させていき、事業構造を変革するような大きな成長を実現したいと考えています。