お酢の成分

お酢の主成分は「酢酸(さくさん)」です。

一般にお酢と呼ばれているものは、糖質を含む食材を原料として、それをアルコール発酵させた後、酢酸発酵させた液体調味料を指します。主成分は酢酸(さくさん)です。

お酢の種類は原料別にたくさんあり、穀物酢、米酢、米黒酢、りんご酢など、それぞれに味や香りも異なります。たとえば、すっ きりとした酸味が特徴の穀物酢、まろやかな酸味の米酢、フルーティな酸味のりんご酢、コクのある酸味の黒酢など、原料や製造方法の違いが各お酢の味や香り といった特徴となって現れます。

お酢の主原料は、穀類(米や麦など)、果実(リンゴやブドウ)などさまざまですが、造り方の基本となるのは「酒を造る工程の後に、酢酸発酵を加えること」と言えるでしょう。

お酢は世界の調味料

お酢は、日本だけでなく世界中で親しまれている調味料です。

日本にお酢の醸造技術が伝わったのは4~5世紀ごろとされています。お酒を造る技術とともに、中国から渡ってきました。稲作文化圏に属する日本の伝統的なお酢は、米から造るお酒を原料とした米酢です。お酢は糖分のあるものであれば何でも原料にすることができますから、世界には日本の米酢と同じように、その土地の風土や気候にあった農作物を原料とする伝統的なお酢があります。韓国の麦酢やイギリスのモルトビネガー(麦芽酢)のような穀物酢、ワインビネガーやアップルビネガーのような果実酢のほか、珍しいものではハチミツを原料とするハニービネガーや、砂糖きびから造るシュガーケインビネガー、また、牛乳の乳清(ホエー)を原料としたホエービネガーなどがあります。

外国のお酢の中では、フランスのワインビネガー、アメリカのホワイトビネガー、イギリスのモルトビネガー、イタリアのバルサミコ酢がポピュラーです。ちなみに、お酢は英語でビネガー(vinegar)と言いますが、その語源はフランス語のビネーグル(vinaigre)。vin(ワイン)+aigre(すっぱい)=お酒がすっぱくなったもの、という意味です。ワインを貯蔵しておいたら発酵してお酢になった、ということから生まれた言葉なのです。