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(2)節分と恵方巻
節分と恵方巻

 節分には「恵方」を向いて、巻きずしを、切らずに丸のまま食べる、という風習があります。その珍妙なる習慣は、もともと大阪の花街に起源があり、旦那衆がお座敷で芸者たちに命じて、面白おかしく巻きずしを食べさせたもの、といわれているようです。けれども一方で、井原西鶴や近松門左衛門の作品に出てくる、とか、古いところでは、ある戦国武将が戦勝祈願を願って食べた、とか、歴史性を示すような説もあります。本当の発祥は定かではありませんが、少なくとも西鶴や近松の作品に節分の巻きずしを食べるなんて話は出ていませんし、だいたいそんな時代に巻きずしなど登場していません。ましてや、戦国時代なんてありえないことです。


 今、最も古いといわれている宣伝チラシは、昭和7年(1932)に大阪鮨商組合が出したものです。そこには花柳界にてもてはやされたと書いていますが、当時から、少なくとも大阪周辺では、一般に習慣化していたことでしょう。ここにはまた「その年は幸運に恵まれる」とのご利益が書かれています。

 宣伝が本格化するのは戦後、昭和35年(1960)以後のこと。活躍したのは大阪府鮓商環境衛生同業組合のほか、大阪海苔問屋協同組合や関西厚焼工業組合などがありました。大阪の太巻きずしは、作る人のみならず材料のメーカーまでも巻き込んだ一大キャンペーンとして盛り上がりを見せ、昭和も終わり頃には大阪周辺にて定着しました。

 平成元年(1989)、大手コンビニエンスストアが広島県店舗で「恵方巻き」と称して、節分の巻きずしを商品化。その7年後に西日本で、さらにその3年後には全国で販売を展開させ、これが実質上の全国展開のきっかけだといわれています。ご利益も「好きな人と一緒になれる」など、若者受けするものになりました。


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