名古屋大学教授で日本ゴマ科学会会長の大澤俊彦先生に
ごまに期待される健康機能について伺いました
アンチエイジング(老化抑制)、解毒作用等、抗酸化作用を発揮!
ごま特有の成分“ゴマリグナン
「ごま」の栄養成分としては、カルシウム、タンパク質、鉄分、ビタミンB1、B2、B6、アルギニン、リノール酸、オレイン酸、フィチン酸、セレン等があります。中でも最近特に注目されているのが、大澤先生が発見したごま特有の微量成分ゴマリグナンです。ゴマリグナンは、ごま成分全体の約1%ほど含まれる抗酸化物質で、活性酸素の蓄積を抑える働きがあります。
このゴマリグナンは、セサミン、セサミノール、セサミノール配糖体、セサモリンなどの成分で構成されています。これらは、抗酸化作用が強く、アンチエイジング(老化抑制)、動脈硬化の予防、解毒作用(デトックス)などの効果があることがわかってきました。
リグナンとは・・・
植物の花や茎、種子にわずかに含まれる成分で、「ごま」にはこのリグナンが豊富に含まれています。そのなかでも、「ゴマリグナン」は「ごま」特有のリグナンです。 |
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ゴマリグナンの各成分の作用
- セサミン・・・・・・・・・・・・・「ごま」に含まれる成分で、体内に吸収され、肝臓で強い抗酸化作用を発揮します。
- セサモリン・・・・・・・・・・・「ごま」に含まれる成分で、体内に吸収され、肝臓で強い抗酸化作用を発揮します。
- セサミノール・・・・・・・・・強い抗酸化作用を持つ成分で、セサミノール単独の状態では、「ごま」自体にはわずかしか含まれていません。ごま油を精製する際に同じゴマリグナンの成分のセサモリンがセサミノールに変換されます。
- セサミノール配糖体・・・「ごま」に含まれる成分で、セサミノール配糖体単独では、抗酸化作用を持っていませんが、腸内細菌の作用で体内でセサミノールに変換され、強い抗酸化作用を発揮します。現在、大腸がんの予防効果が研究されています。
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アンチエイジング(老化抑制)のポイントは、
“レドックス制御”=「体内の酸化・還元バランスの保持」
〜過剰な活性酸素の蓄積が老化や病気の原因のひとつ〜
近年、老化やさまざまな病気の原因として、活性酸素による体内の酸化と、それに伴う身体組織の分子の酸化破損が挙げられています。
活性酸素が過剰に体内に蓄積されると、私達の体に様々な酸化障害・酸化ストレスが加わり、肥満、過労、肌の荒れなどの進行や、老化につながると考えられているのです。
〜体内の酸化と還元のバランス=“レドックス制御”が大切〜
活性酸素はもともと強力な酸化力を持っています。細菌や有害物質から体を守る免疫機能の点から考えると完全に排除すればよいというものではなく、ある程度は必要な物質であるといえます。
「酸化による老化の進行を抑制するとともに、体内の免疫力を保持する」、つまり体内の酸化と還元のバランスが大切なのです。
そして、この酸化と還元のバランスを保つことを“レドックス制御”といいます。いつまでも健康で若々しさを保つ秘訣はまさに“レドックス制御”であるといえるのです。そのバランスを保つ働きが期待できる成分が「ごま」に含まれるゴマリグナンです。
「ごま」とがん予防の研究
最近では、「ごま」とがん予防との関係の研究も盛んになってきました。その一部をご紹介いたします。
大澤俊彦教授は、岐阜大学大学院医学研究科森秀樹教授、廣瀬善信教授の研究チームと共同で、今年春に、「大腸がんへのセサミノール配糖体の効果に関する動物実験」についての実験結果をまとめ、がん専門の学術誌「Cancer Letters」に発表いたしました。
これは生後4週齢のラットに対して、アゾキシメタン(※)という発ガン物質を投与し、大腸がんを誘発する実験で、セサミノール配糖体を含む食餌を与えたグループとセサミノール配糖体を含まない食餌を与えたグループにわけ、セサミノール配糖体が抑制効果を示すかどうかを調べたものです。
※アゾキシメタン:大腸がんを誘発することで知られる発がん物質。ACFとBCACといわれる大腸がんマーカーを上昇させる。
食餌にセサミノール配糖体を含まないグループ(A)と、セサミノール配糖体を250ppm含有したグー
プ(B)、さらに500ppm含有したグループ(C)の三つのグループを比較すると、Cグループは、アゾキシメタンが誘発する大腸がんの前がん症状の遺伝子発現レベルが最も低く、続いてBグループという結果でした。これらの結果は、セサミノール配糖体が発がん物質であるアゾキシメタンに誘発される大腸がんを抑制する機能性食品因子になり得る可能性を示唆しています。
毎日継続して摂取することが大切
「ごま」は、脂質、たんぱく質、食物繊維、炭水化物、各種ビタミン、ミネラルなど多くの栄養素がバランスよく含まれています。カルシウムは同量の牛乳の11倍も含まれているなど、健康維持には欠かせない食材のひとつといえます。
「ごま」は、硬い皮の部分がついた粒のままで摂取すると、ほとんど消化されないまま体外へ排出されてしまいます。摂取する際は、「すりごま」や「練りごま」の方が栄養素の吸収率が上がります。すったり練ったりする時間がない場合は、手軽に使える市販のごまだれなどを利用するのもよいでしょう。
日本人は塩分を摂りすぎる傾向がありますが、塩分のかわりに「ごま」で味覚のアクセントをつけると、塩分を控えることができてしかもコクが増すので満足感が得られます。
健康で病気になりにくい体を作り、維持していくためにも、「ごま」を積極的に取り入れた、バランスのとれた食生活が必要です。大切なことは、「すりごま」や「練りごま」を毎日、継続して摂ることです。