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酢酸菌の集団行動クオラムセンシングを解明

研究結果をお客様に喜んでいただける製品につなげていきたい

大学派遣を機に研究を開始

クオラムセンシング(quorum sensing)とは、微生物特有の集団行動のこと。微生物は、それぞれ個体で存在している時の力は強くありませんが、同じ微生物が周囲に多数存在していることを感知すると、集団となって固有の行動をとり始めます。ある種の病原性を持つ微生物は、数が少ないうちは静かにしていますが、周りに仲間が増え始めると毒素を放出して、一斉攻撃を始めます。これもクオラムセンシングの一種。酢酸菌においてこのクオラムセンシングの研究に取り組んだのが、中央研究所の鮒 彩研究員でした。「酢酸菌のクオラムセンシング」の研究は、2005年、鮒研究員が東京大学に派遣されたのを機に開始されました。

ゲノム解読完了があったからこその研究

ミツカンは2002年、世界に先駆けて「酢酸菌のゲノム解読の完了」を発表しています。その研究結果から、酢酸菌にもクオラムセンシングに関わる遺伝子が存在しており、他の微生物同様酢酸菌も、クオラムセンシングによって、何らかの重要な機能を制御していると予想されました。もし、酢酸発酵や酢酸耐性に影響を与えていれば、研究結果を食酢の発酵・製造の効率向上に役立てることができます。ゲノム解読を完了しているミツカンだからこそ、取り組めるテーマといえました。

酢酸菌がクオラムセンシングで酢酸発酵を制御することを発見

クオラムセンシング関連遺伝子の破壊による
培養時発泡の抑制

2007年、鮒研究員は農芸化学会大会において、酢酸菌のモデル評価系におけるクオラムセンシングシステムの解析結果について発表しました。酢酸菌はクオラムセンシングによって、まさに酢酸発酵を制御していることが、世界で初めて発見されたのです。その理由は定かではありませんが、「酢酸に強い酢酸菌も耐えられる酢酸濃度には限界があり、酢酸を作りすぎないようにしているとも考えられるし、酢酸発酵するためには酸素が必要であり、集団で発酵し続けると酸欠によって自滅することになりかねないため、自己防衛としてクオラムセンシングを行うのではないか」と鮒研究員は語ります。
逆に、このクオラムセンシングに関わる遺伝子の発現を抑制するなどして、クオラムセンシングのシステムが動かないように制御できれば、食酢の生産効率を向上させることができます。また、鮒研究員は、クオラムセンシングの制御は発酵中に生じる泡の量を減少させることも、同時に見出しました。モデル評価系での結果であり、実際の生産で実現するにはさらなる検討が必要となりますが、泡の量を減らすことができれば、一度に発酵できる量が増え、生産効率を高めることができると考えられます。優れた研究成果は、よりよい製品づくりに役立ててこそ、本来の意味を達成する。鮒研究員は現在中央研究所に戻り、研究開発に取り組んでいます。

研究開発を振り返って

入社して半年後から酢酸菌のゲノム解読のチームに参加していたのですが、今回のクオラムセンシングの研究は、ゲノム解読の成功がなければ進めることができませんでした。酢酸菌の酢酸発酵のメカニズムは未だ分からない部分も多いのですが、クオラムセンシングの研究結果を食酢製造のコストダウンや安定供給に役立て、お客様に喜んでいただける製品につなげていきたいと思っております。

中央研究所 主任 鮒 彩

※部署名・役職は掲載当時の内容です