ABOUT
時代が移り変わるように、
手巻き寿司も次のステージへと向かうべきではないか…
そんな思いから、
「令和」における手巻き寿司の新しい形を追求すべく
"手巻き元年プロジェクト"を発足しました。
様々な切り口から手巻き寿司を研究し、
手巻き寿司がもつ“美しさ”と”デザイン科学”の
融合した結晶が、ここに誕生!
LOGIC
Chapter 01 デザインにおける形態決定
デザインにおける形態決定の拠り所は、
大きく分けて3つに分けられる。
すなわち、20世紀前半にバウハウスなどにおいて
確立された機能を形態の根拠とすべきという考え方、
次にデザインも造形表現の一部である以上、
審美的な価値の表現を根拠とすべきという考え方、
最後にその人工物を通して伝えるべき情報伝達の媒体として
象徴的な情報伝達の役割に基づくべきという考え方である。

しかし、こうした3種類の形態決定の根拠以前に、
人類が人工物を作成し始めた最初期の段階から変わらずに
拠り所としてきたものがある。
それは、"自然"である。


現存する縄文土器や世界各国における古代の制作物を見れば
人間が造形表現を行う際のアイデアの源は常に、
動植物や水の流れなどの自然であったことが明らかである。
そしてそうした自然の造形原理を学ぶことによって、
人間は科学技術を発展させてきた。
自然の形態は物理学や数学などにおいて常に
人間が学ぶべき対象であると同時に、
美的な価値においても手本であり続けてきた。
Chapter 02 3つの幾何学曲線
こうした自然原理を科学的に紐解く
幾何学を用いたアプローチを行う中で、
私達は、手巻き寿司の持つ”美しさ”を際立てる
「3つの幾何学曲線」を選択した。
01 | GOLDEN SPIRAL
具材の広がりを表現する
黄金比に基づく対数螺旋「黄金螺旋」
対数螺旋と呼ばれている曲線の一種であり、
よく知られている黄金比の比率に基づいて螺旋を描いたカーブである。一般にオウム貝などの形に見られるとされるが、それについては異論も多い。

02 | CATENARY CURVE
優しい外形線を司る「カテナリー曲線」
懸垂曲線とも言われ、ロープなど、ひも状のものの両端を持って垂らした時に重力によって自然にできる曲線である。放物線などとは異なり、より力学的に安定した形になっている。吊り橋などに見られ、ガウディのサグラダファミリア教会の鐘楼がこのカーブに基づいていることは有名である。

03 | CYCLOOID CURVE
手巻き寿司の美しい外形を司る、
「サイクロイド曲線」
円の周上の1点が、円が回転しながら転がる際に描く軌跡として生まれる曲線である。サイクロイドは自然界のさまざまな形に見られると同時に、その物理的な性質から、古代より多くの人工物に用いられてきた。よく知られたものでは西洋の多心円アーチのカーブや、日本古来の神社建築の屋根などにサイクロイドに近似のカーブが見られ、スムーズで流れの美しい曲線である。海苔の外形に取り入れることで、巻いた際の外形をスムーズに連続した一つながりのきれいなカーブにすることができた。

様々な試行錯誤の末に
「サイクロイド」を海苔の形状に採用し、
生まれたのが、
業界初「サイクロイド手巻き寿司」であった。
CHALLENGE
究極の手巻き寿司に挑戦!
手巻き元年プロジェクトが考案した
「サイクロイド手巻き寿司」のガイドシートをご用意。
ぜひご家庭でも作ってみてください!
手巻き元年プロジェクト監修
佐藤 弘喜
Prof. Hiroki Sato
千葉工業大学 創造工学部 デザイン科学科 教授
千葉大学工学部 工業意匠学科卒。
本田技術研究所にて乗用車のデザイン開発を担当。
2003年筑波大学にて博士課程修了。
博士(デザイン学)を習得。
プロダクトデザインおよびデザインに対する
感性評価研究を専門領域とし、
日本の伝統文様に対する
視覚認知構造に関する研究や、
木目パッケージデザインの印象評価研究、
屋外広告物と店舗の印象に関する研究、
選挙カーの製品開発等を行う。
●主な所属
慶應義塾大学 理工学部 非常勤講師/
イタリア ミラノ工科大学 客員教授(2014年)/
日本デザイン学会理事 副会長/
日本感性工学会会員 感性インタラクション部会/
日本インダストリアルデザイナー協会 教育委員会委員/
NPO法人ストリートデザイン研究機構 理事/
グッドデザイン賞(Gマーク)審査委員/
A’デザインアワード国際デザイン賞 審査委員/
日本テレビ「世界一受けたい授業」番組講師(2011年)