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酢酸菌ゲノムの解読完了を世界で初めて発表

限りない品質向上を目指して、研究に取り組んでいきたい

酢酸菌の特性を解明するため、ゲノム解読に着手

2002年、ミツカンは食酢の主成分である酢酸を作るはたらきをもつ「酢酸菌」のゲノム解読の完了を、世界で初めて発表しました。
ゲノムとは、生物それぞれの基本的な性質を決定するすべての遺伝情報を指す言葉です。ゲノムを解読・解析することは、その生物の特性やはたらきを解明することにつながります。そのためには、まずゲノムを構成しているDNAの全塩基の配列を決定しなければなりません。(注)
中央研究所の酢酸菌チームが解読に挑んだ酢酸菌(高酸度発酵菌)ゲノムは、約300万塩基対の環状DNA分子から構成。そのすべての配列を解読し、酢酸菌の特性の解明につなげていくことが、今回のプロジェクトの目標でした。

注:DNA上の遺伝子情報は、DNAに含まれるA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類の塩基の配列として表される。

約300万もの塩基配列を解読

ゲノム解読の方法 (ショットガンシーケンス法)

塩基配列の解読には、ショットガンシーケンスという方法がとられました。DNA分子を短い断片に細かく裁断したうえで、それぞれの断片の塩基配列を解読し、再びつなぎ合わせて全体の構造に組み立て直すという方法です。この方法とハイスループット(高効率)なDNAシーケンサーを組み合わせることによって、解読は格段にスピードアップできます。

しかし、重なる部分が同じ塩基配列になっているものが複数あると、本来はつながらない断片同士を間違ってつないでしまいかねません。つなぎ方を間違いやすい箇所については、コンピューターにたよらず、研究員が一つひとつ読み進めて正確につないでいく地道な作業が必要とされました。

解読から解析へ、酢酸菌研究に挑みつづける

解読作業を開始したのは1999年。1年、2年と時間をかけ、解読が軌道に乗り始めると、プロジェクトチームもどんどんパワーアップ。研究員の数も当初の4人から20人にまで増え、「世界で最初に酢酸菌のゲノム解読を完了しよう!」と、休日返上で取り組むこともしばしばでした。

ようやく最後の断片同士のすきまがピタッとうまり、環状DNAの全塩基配列が決定されたのは、2002年6月のこと。3年近くを経て、ついに酢酸菌のゲノム解読が完了し、同年8月に国内外へ向けて発表となったのです。全体の配列上に約3200の遺伝子が存在すること、その約半数はそれまでに報告のあった他の生物との相同性が低い、特徴的な遺伝子であることが推定されました。

現在、研究員たちはゲノムの解読から各遺伝子の"解析"へと歩みを進めています。すでに約1800の遺伝子は機能を推定することができ、酢酸菌を特徴づけていると考えられる遺伝子も多数見つかっています。ゴールはゲノム解読の完了ではなく、その研究成果をお客様に喜んでいただける食酢づくりへとつなげていくこと。酢酸菌研究の道程は、まだまだ続いていくのです。

研究開発を振り返って

解読結果はある程度予想していたとおりでしたが、だからこそそれが実証できたという喜びは大きかったですね。研究を製品づくりに応用するには、さらに解明しなければならない部分も多く、難しい仕事ではありますが、だからこそやりがいがある。限りない品質向上を目指して、酢酸菌の研究に日々取り組んでいきたいと思っています。

中央研究所 主任 高本 秀司